木崎、こっちを向いて
早川先生side



「木崎さん?彼女は母親がいないのよ。父親も単身赴任とかで、あんまり家にいないらしくて。」



金森先生は僕の大学時代からの先輩で、机の上がとにかく汚い。
今にも崩れ落ちそうな書類を冷や冷やと眺めながら、僕は先生と話す。



「じゃあ、彼女は一人で暮らしているんですか?」




「そうみたいよ、二者面談は誰も来なくってね。複雑な家庭なのよ」




「…そうなんですか。」



親御さんが家にいないから、相談もできなかったのか。
ちゃんと相談しろとか言って、悪いことしたな。




「瞬ちゃん、今日ご飯行こうよ」




「遠慮しておきます」




「もうっ、いつもそうなんだから!」





僕は金森先生を無視して、1時間目の準備に取り掛かった
< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

電車で出会ったキミとワタシ

総文字数/6,946

恋愛(純愛)16ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop