ただ君を愛してる
「んーっ♪楽しかったあ!」

「なぁ…。今さっきの聞こえた?」


丸聞こえでした…。


龍生があたしのこと好きなんて

思ってもいなかったし、



だからと言って

一昨日とか昨日のこと聞くと

その気にはなっていたし…。



今思うと


あたし龍生のことばっかり気にしてるんだ…。


「うん…。聞こえた。」


「…付き合って…」


龍生は顔を赤くして顔をそらした。


「うん…。」



あたしはOKしてしまった。


翔太のことはどうなるんだろう。


かなわなくなった恋に諦め着いて


そして好きでもない人と付き合うなんて


なんて性格の悪いやつなんだろう、あたしは。


つくづく自分が嫌いになってく。


「まじ…?」


あたしは小さく頷いた。


「やったあっ!俺フラれるのかと…。」


龍生はまだあたしが翔太のこと好きだと知っていて


決心して告白してくれて…。


「ありがとう…。」


「ん?」


「あたしがまだ…あいつのこと好きなのに。」



「ゆっくりでいいんだよ!ほらっ」

龍生はあたしに手を差し伸べてくれた。



あたしはゆっくり手を掴んだ―――――…。
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