ただ君を愛してる

「ただいまーっ」

「おじゃましまーす」



翔太はよそよそしく入ってきた。

昔は普通に入ってきたのに…。


「おっ、翔太」


「雄兄、これCD返し忘れてたから。あとちょっと話したい。」


兄ちゃんと翔太は2階の部屋に言った。



**翔太side**



「んで、どしたの?」

雄兄はベットに腰を下ろした。

「いやー…。花歩のことなんだけど…。」

俺は顔を下げた。



「花歩?やっぱお前惚れてんのかあ?」



「うん…。でも俺付き合ってるやついて…。

  桜っていう子なんだけど、花歩の友達で。

  俺、断るのいけないなーと思ってOKしちゃってさ…。」


雄兄はアッハッハと笑った。

俺真剣に考えてんのに…(怒)


「お前、昔っからそんなヤツだよなあ」

っと、俺の頭をポンと叩く。



「花歩もそんなヤツだよ。お前らそっくりだもんよ。

  いーか?恋愛っつーのは奪い合いなんだよ。

  男って言うのは、当たってぶつける!」



やっぱり雄兄の言う事は、深く刺さる。


雄兄は俺の兄ちゃんみたいな感じでもあるし、

雄兄は友達って感じでもある。


頼れるんだよな…。


「ん、ありがと!じゃー俺帰るな!」


俺は階段を降りたときに、花歩と俺の身長を書いてあるものを見つけた。

昔は花歩のほうが大きかった。

「あれ、もう帰んの?」

「もー終わったからなあ。」

花歩が俺と花歩の身長のやつに手をおいた。



「こんなにちっちゃかったんだね…あたしたち。」


「前は花歩がでかかったよな。だけど俺がぬいて。」


花歩は笑ってくれた。

こんな俺にも。



ありがとう。
< 15 / 21 >

この作品をシェア

pagetop