ただ君を愛してる
「ただいまーっ」
「おじゃましまーす」
翔太はよそよそしく入ってきた。
昔は普通に入ってきたのに…。
「おっ、翔太」
「雄兄、これCD返し忘れてたから。あとちょっと話したい。」
兄ちゃんと翔太は2階の部屋に言った。
**翔太side**
「んで、どしたの?」
雄兄はベットに腰を下ろした。
「いやー…。花歩のことなんだけど…。」
俺は顔を下げた。
「花歩?やっぱお前惚れてんのかあ?」
「うん…。でも俺付き合ってるやついて…。
桜っていう子なんだけど、花歩の友達で。
俺、断るのいけないなーと思ってOKしちゃってさ…。」
雄兄はアッハッハと笑った。
俺真剣に考えてんのに…(怒)
「お前、昔っからそんなヤツだよなあ」
っと、俺の頭をポンと叩く。
「花歩もそんなヤツだよ。お前らそっくりだもんよ。
いーか?恋愛っつーのは奪い合いなんだよ。
男って言うのは、当たってぶつける!」
やっぱり雄兄の言う事は、深く刺さる。
雄兄は俺の兄ちゃんみたいな感じでもあるし、
雄兄は友達って感じでもある。
頼れるんだよな…。
「ん、ありがと!じゃー俺帰るな!」
俺は階段を降りたときに、花歩と俺の身長を書いてあるものを見つけた。
昔は花歩のほうが大きかった。
「あれ、もう帰んの?」
「もー終わったからなあ。」
花歩が俺と花歩の身長のやつに手をおいた。
「こんなにちっちゃかったんだね…あたしたち。」
「前は花歩がでかかったよな。だけど俺がぬいて。」
花歩は笑ってくれた。
こんな俺にも。
ありがとう。