ただ君を愛してる
「そっかー…!応援してるよ!」

応援なんてしたくないのに。


「うんっ♪あっ!しょーたあーっ!」


玄関前に翔太がいた。

翔太もこっちに気づいたらしく、手を振る。

桜は飛ぶように抱きつく。

「おっはよー♪」


見てると悲しくなった。

親友が彼氏ができてめでたいのに、

自分はこんなに祝って上げれないなんて。


なんて性格悪いんだろう。



「おはよー。あ、花歩もおはよ。」

翔太は眠いらしく、桜のおでこにコツンとおでこを当てた。

「おはよ。てか珍しいじゃん。こんな早く起きれるなんて。」

「何々!?2人とも何でそんなに仲いいわけ~?」

「俺と花歩、幼馴染だからー…」

びっくりしたように桜は目を大きくひろげた。

「そーだったんだあー!!!花歩早く行ってよ★」


今さっき聞いたから…^^;

あたしは緊張した体をホッっと落ち着かせた。



桜と翔太は手を繋いでいる。

正直、ツラい。

ここから逃げたかった。


「あー!!あたし、日直だったあ!」

日直じゃないのに、日誌をとりにいった。

「んっー!いってらーっ」



早く、早く



心のどこから聴こえた、この言葉。


深く、胸に突き刺さった。
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