ただ君を愛してる
お店から出ると、桜がニコニコしてた。


『早く、クリスマスになってほしいなー♪』

ってずっと呟いていた。


あたしも早く龍生の喜ぶ顔が見てみたい。


なのに…。何でモヤモヤするんだろう。

あたしは龍生のことが好きなのに、


何で今翔太のこと何か…。


「じゃー、あたしちょっと用事あるから!」

と、桜は帰って行った。


暇だなーって思ってる時に

兄ちゃんからの電話…。


「あー、花歩ー?」


「何?」


「ちょっと、お前翔太ンち行ってろ。翔太には言ってあるから。」


はぁ?

このタイミングで…泣



「は?何で?意味わかんないんだけど…。」


「いいから、お前翔太ンち行ってろって。」


といきなり切られてしまった。


むっかつくな~…。


とにかく、翔太の家に…。



「花歩っ!はぁはぁ…。」


翔太が寒い中、薄着であたしのところへ来た。




「何…?どうしたの?」


「と、とにかく家に…。」


翔太はあたしの手を握って家に向かった。


「花歩ちゃんっ…。今日はうちに泊まりなさいね?」

翔太のお母さんはいつも冷静だけど、今日は全然違った。


やっぱり家がなにかあったのだろう…。


心配でたまらなかった。


「ご飯ができるまで、お風呂入ってて。服は美鈴の貸すから」


美鈴ちゃんは、翔太のお姉ちゃん…。


何でも聞いてくれる…お姉ちゃん…。



「はい、花歩ちゃん。これ服ね^^」


「ありがとう…。」



チャプン…。


おかしい。


美鈴ちゃんがあたしのことちゃんって言った…。



普段は言わないのに…。


翔太のお母さんもあせっていた。



何だろう…。
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