ただ君を愛してる
「………っ」

屋上に着いた途端、涙があふれ出てきた。


翔太の隣に居たかった。

翔太の手を握りたかった。


その思いが涙と一緒にボロボロとこぼれ落ちた。

とにかく泣いた。

いっぱい泣いた。


     ――――1時間目始――――

「あー…。戻らなきゃ…。」


なのに足が動かない。

チカラが出ない。


このまま…………。

空にとけちゃいたい…。


ガチャ

体がびっくりして起き上がった。

「あれ、花歩。病院行ってるんじゃなかったの?」


…同じクラスの佐田だ。


とゆうか、遅刻扱いされてるのか…。




「単なるサボり。つーか何で病院ってことになってんの?」

「青山が言ってた。」

佐田は、ipodのイヤホンを耳に入れた。

「あっそー…。」


「目ェ腫れてる。何かあった?」




泣いた後だから腫れてるってすぐわかる…。


目を隠すように手をおおう。


「翔太にフラれたかー?」




何でも見透かされてるようだ。

また涙が…。

「…ぐすっ」




あたしは桜になりたかった。


「いっぱい泣けー」


佐田の優しさに浸った。
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