明日を生きる君達へ
クレープを食べ終わった時には、時計は午後7時を指していた。
「そろそろ帰ろうか。」
「そうだね。時間も時間だし。春歌は特に家、遠いしね。」
「そうなんだよねー。てか眠っ……。」
ぼーっとしていたのか、春歌は赤信号を渡ろうとしていた。
「ちょっ、、春歌!信号赤だよ!?」
「えっ、うわっ!?」
私が春歌を引き寄せたのと、車が突っ込んできたのが同時だった。
「あっぶな~……ありがとう零、助かった…。」
「ちょっと、しっかりしてよー……?」
そして、信号は青になった。
「こんどこそ青だね!」
「春歌、手上げながら渡った方がいいんじゃないの?」
「さすがにそれはないでしょ。」
そういって笑い合いながら、春歌の方が一足先に横断歩道を渡り始めた。その時だった。
キイィィー バンッ
けたたましい金属音と共に、春歌の身体が宙に浮いた。
ドサッ
そして、春歌が地面に叩きつけられる。辺りには、生々しい鮮血が飛び散っていた。
──え?
───何かの、冗談だよね?
目の前の光景は全部夢なんだ、と私の心は思いたがっていた。
その思いを掻き消すように、私の頭が全てを理解し始める。
春歌は今。
私の目の前で。
死んだんだ。
私達の永遠の別れを、灰色の空が、なんとも言えない表情で見ていた。
「そろそろ帰ろうか。」
「そうだね。時間も時間だし。春歌は特に家、遠いしね。」
「そうなんだよねー。てか眠っ……。」
ぼーっとしていたのか、春歌は赤信号を渡ろうとしていた。
「ちょっ、、春歌!信号赤だよ!?」
「えっ、うわっ!?」
私が春歌を引き寄せたのと、車が突っ込んできたのが同時だった。
「あっぶな~……ありがとう零、助かった…。」
「ちょっと、しっかりしてよー……?」
そして、信号は青になった。
「こんどこそ青だね!」
「春歌、手上げながら渡った方がいいんじゃないの?」
「さすがにそれはないでしょ。」
そういって笑い合いながら、春歌の方が一足先に横断歩道を渡り始めた。その時だった。
キイィィー バンッ
けたたましい金属音と共に、春歌の身体が宙に浮いた。
ドサッ
そして、春歌が地面に叩きつけられる。辺りには、生々しい鮮血が飛び散っていた。
──え?
───何かの、冗談だよね?
目の前の光景は全部夢なんだ、と私の心は思いたがっていた。
その思いを掻き消すように、私の頭が全てを理解し始める。
春歌は今。
私の目の前で。
死んだんだ。
私達の永遠の別れを、灰色の空が、なんとも言えない表情で見ていた。