電車で出会ったキミとワタシ
「あい、ただいま」
そう言いながら、ノックもなしに
お兄ちゃんが、私の部屋に入ってくる
「おかえり、今日はサークルだったの?」
背中にはテニスのラケットが入る大きなリュックがある
お兄ちゃんは、中学校からテニス部に入っていた
だから、大学でもテニスサークルに入ったらしい
「そう、今度試合あるから練習
てか、成績良かったんだって?
母さんから聞いた」
「…うん」
「あいも俺の大学入るって、母さん言ってたよ
お前はそれでいいの?」
「私の意見も聞かずに、勝手に進路決めたのはお母さん達でしょ!!!」
私は、何も悪くないお兄ちゃんにあたって
近くにあったクッションをお兄ちゃんに投げつけた
「勝手に?
勝手なら、ちゃんと自分の意見言えばいいだろ」
お兄ちゃんは、クッションを私のベットに置いて
静かに部屋を出て行った