君の声を聞かせて
「違うってなにがですか?私の何かがダメなんですか?」
今まで極力、人の目を見ずに、誰とも関係を持たずに、一人で生きてきた。一人で頑張ってきたのが…間違ってるっていうの?
「だって、彩音ちゃんは本当の心の奥の声を聞いてないでしょ?」
心の…奥の…声?本当の…?
先輩から目が逸らせなかった。何もかもが見透かされてるようで。
「先輩は何が言いたいんですか…」
「人と関わる前に誰かを信じるのをやめないで。本当の心の声はその人と心が通じた時に初めて聞こえるんだよ。」
私は言葉が出てこなかった。小さい頃の嫌な記憶から人と関わることを避け続けたから。
「…じゃあ…私はどうしたらいんですか?」
「そんなの簡単だよ。友達を作ればいい。」