君の声を聞かせて
episode1

ayane side*

始業式。




周りの子達は誰と同じクラスになるのかとか、キャーキャー騒いでる。





ま、私には関係ないこと。誰と同じになろうがどーでもいいし。






新クラスが掲示されてるところで自分のクラスを確認した。でも、極力面倒くさそーな人がいるとこは避けたいよね…






えーと、あ、B組だ。よし、教室まで行くか…そう思って振り返った瞬間…





ドンッ






「いたっ」






あまりにも勢いよくぶつかって声を出してしまった。やば、変に絡まれたくないな…慌てて逃げようとする…





ぱしっ





「?!」





腕を掴まれて引き戻される。な、なに?!






「ごめん!怪我してない?」






あー、もうどうせこの人も内心で怒ってたりするんでしょ…




めんどくさいなぁと思いつつ顔をあげる。





そこにいたのは、栗色の髪の毛をして、二重でいかにもモテそうな顔をした男子だった。






ん…?








あれ…








なにも…なにも聞こえない。









うそでしょ?なんで?






私は初めてのことに言葉が出なくて黙り込んだ。それをその男子はよっぽど痛かったのかと勘違いしたのか、






「ほんっとにごめん!今すぐ保健室行こ!ちょっと…」







「うぁっ?!」






私の体はいつの間にか宙に浮かんでいた。まさかのお姫様抱っこ…







「ちょっと…大袈裟だって!1人で歩けます!…って…え」







うちの学校はネクタイごとに学年が分けられていて私は紺色。ひとつ上は赤…で…






その男子のネクタイの色…







赤…うわ…3年生?!









「あっ…あの!先輩!」










「あ、3年生って気づいたの?」









「なんか色々すみません…でもほんとに大丈夫なんで降ろしてください!」



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