君の声を聞かせて
キーンコーンカーンコーン…
あ、予鈴だ…そろそろ教室に行かないと…
「先輩…あの…ありがとうございました…ハンカチは洗って返すので…」
「丁寧にありがとね。」
先輩の目を覗き込んでみても何も聞こえない…
んー…やっぱりおかしいよね…そーゆー人もいんのかな…?
「なに?そんなに見つめて?照れんだけど…」
はっ、私ってば見つめすぎてたの?恥ずかしい…
「ごっごめんなさい…そんなつもりは…」
もー恥ずかしすぎる…先輩の顔を見れなくて顔を伏せた。
「小鳥遊 彩音ちゃん。」
え、…いま…なんで…私の名前…知ってんの…?
驚きすぎで、はずかしかったことなんてどっかいった。パッと顔を上げた。
そしたら先輩は
ニコって笑ってて…
「俺は3年C組の高井 真。よろしく。じゃあ教室いくね。」
それだけ言い残して先に出ていった。