カンケイ。
そうして、ある日のことだった。
もう私たちは40手前になっていた頃。
高校時代の友人が久しぶりに連絡を寄越した。
「あ、もしもし?久しぶり。高校以来だね。それなのにこんな連絡でごめん。あの、ーーーくんが、亡くなったって」
思わずスマホを取り落としそうになりつつ、動転した心を悟られないようにと私は努めて冷静に聞こえる声を装った。
そして何とか友人からの言葉を脳内に留めようと聴くと、どうやら彼は交通事故で亡くなったようだった。
飛び出した子供を助けようとしたらしい。
女関係にはずぼらなくせに、やけに正義感が強い彼らしい話だった。
「ーーーわかった。それで、葬儀は?」
「今日が通夜で、明日の18時から」
それ以降の話はほとんど耳には入らなくて通話を切った。
「彼が...」
呆然とそう呟き立ち尽くした。
そして葬儀に参列し、彼の顔を除いた時。
交通事故と聞いていたのに、死化粧で綺麗に隠された傷痕、そして綺麗な、顔。
その時私は彼に出会って初めて、彼の前で涙を流した。
そして気付いた。
セフレだ体の関係だ、そう誤魔化してきた思いが、本当は好きだったのだと。