【短編】蚊取り線香
「おはよ、早いね」
ソファで寝てたのに、いつもと変わらない挨拶をしてくれるアキ君。
「おはよー!ごはんできてるよ」
私は、がんばって笑顔で言った。
「あーい」
きっと、アキ君の寝ぼけた顔をみられるのは私だけの特権。
そう思うと、急にアキ君の顔が愛おしくなってくる。
「いってきまーす」
玄関まで見送る。
サプライズのお弁当を渡さなきゃ。
「これ、作ったの。気をつけてね行って来てね!」
アキ君は、私の顔をお弁当を見合わせてビックリしている。
作戦は大成功!