幼なじみの優しい彼
悔しくて悔しくて、泣きながら走っていた。

自分が本当に情けなくて嫌い。

だって、こんなに海が好きなくせに告白する勇気がなくて、嫉妬してるだけだなんて。

私はなんて臆病でわがままなんだろう。

彼女は、ちゃんと告白して一歩も二歩も前へ、踏み出してる。

きっと今頃は、海とラブラブになっているんじゃないだろうか。

あんなに可愛い子だったし。

後ろを振り返っても、海は私を追いかけてきていない。

一刻も早くここから離れたくて、急いで外靴に履き替えて全速力でバス停に急いだ。

正門をくぐると目の前がバス停だ。

ちょうど、バスが止まったところだった。

その時遠くから名前を呼ばれたような気がしたけれど私は振り返らない。




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