幼なじみの優しい彼
「ウッ、ヒック、ウッ」

涙で顔がグシャグシャになりながら、ふと気づいたらバスの中は結構混んでいてみんな私を繁々と眺めている。

なかには、うちの学校の女子生徒達もいてこちらを見て、ヒソヒソ話している。

エーン、最悪。恥ずかしいよー。穴があったら今すぐ入りたい。

すると、バスの1番後ろの席にいたさっきの女子生徒達が、後ろの窓を見てなにやら騒ぎだした。

「わー、イケメンが、走ってるよー」

「あれ、1組の海くんじゃない?なんで追いかけてきてるのかな」

「可愛い、超タイプー」

彼女達のキャアキャア言う話し声を聞いてびっくりして私も後ろの窓を見たら、確かに海がこのバスを全速力で、追いかけてきていた。

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