幼なじみの優しい彼
「大丈夫?」

「うん」

汗を拭くために背伸びする私に、海は甘えるように少しかがんで目を閉じる。

まつ毛長い。やっぱり綺麗な顔だなぁ。

「びっくりしちゃったよ。バス追いかけてくるんだもん」

「ハハ、俺も、自分でもびっくりした」

「家が近所なんだから、帰ってからでも会えるのに、どうして?」

「だって、ヒカリが、泣いてたから」

照れくさそうに笑う海が愛おしくてたまらない。

私はギュッと拳を握る。

言わなきゃ、絶対に言いたい。

「か、海、私ね、あのね」
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