幼なじみの優しい彼
「ごめん、付き合ってる人はいないけど、大切な子がいるから、やっぱり君とは付き合えないよ」

海は、少し申し訳なさげに優しく言う。

「じゃあ、お友達からでもいいから、連絡先交換してもらえませんか?」

彼女は、どうしても諦めきれないのかしつこく、くいさがる。

それでも海は、まだ躊躇していたけれど、彼女がハンカチをだしてグスグスと鼻をすすると、慌ててポケットからスマホをとりだした。

「ああ、わかったよ、わかったから泣かないで」

あーあ、ダメだな。海は。もうっ、優しすぎるんだから。

2人でスマホのラインアドレスを交換しているのを、私は恨めしげに見つめた。

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