幼なじみの優しい彼
「こ、こらっ、ヒカリなにしてんだよ、匂うなっ」

海は、うっすら顔を赤くして抵抗する。

うっ、可愛い。いじめたくなるかも。

「だって、海がモテる秘密がわかるかもしれないでしょ？」

私は海の手をとって、鼻先に持っていく。

「もー、やめろってー」

困った顔をしながらも、なぜか口元をほころばせながら、手をひっこめようとはしない海。

自分たちの、教室の近くまで戻って来ていた私達は廊下でクラスメイトの男子達とすれ違う。

「あー、バカップルまたいちゃついてるよ」

「おっ、またかよ。見せつけんなよっ」

そんなんじゃないよって、海は彼らに反論するけど顔はニコニコしている。

あれ、まただ。しょっちゅうひやかされるんだよね、私達。

恥ずかしいのに、かすかに嬉しい。



< 7 / 24 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop