幼なじみの優しい彼
あ、海のお肌ってツルツルだなぁ。ほっぺたも柔らかい。

うー、よくも私の海にチューしたわね。あの子、許さないんだから。

「ヒカリまだ?」

「うーんもうちょっと」

真っ赤な口紅がなかなか綺麗にとれなくて、私は海の頬に、顔を近づける。

「ヒカリ」

顔を動かしてこちらを向こうとする海に、

「あ、ダメだよ。ジッとしてて」

動かないように注意すると海が慌てている。

「ご、ごめん」

だけど、海の片手が私の背中に回されていたのに気がつく。

え?もしかしたら海ったら、今キスしようとしたの?

海の手は、瞬時に私から離れる。

まさかね、海がそんなことしないよね。

「よし、とれた。でも、こすりすぎて赤くなっちゃったよー、ごめん海、痛くない?」

「うん、ちょっとヒリヒリするなぁ。そうだ、ヒカリ、フーフーしてよ」


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