君に恋を始めました

「あっ、月島さんじゃん!」

月島さんが教室に戻って来た。
いつもより早い気がする。

「話しかけなよ!」
「え、いや、いいって」

いくら少し話せるようになったからって、、
心の準備は必要なんだよ、、。

「えー、、月島さーん!」
「ちょ…」

幸人がいきなり月島さんを呼ぶから焦る。

月島さんはこちらに目を向けるとやって来た。
というか、彼女の席は僕の隣なんだから来るのは当たり前なんだけど。

「こんにちはー!僕、吉田幸人です!」
笑顔で名のる幸人。
「月島華憐です。」
幸人につられたのか月島さんも名前を言った。

「上杉 良也(うえすぎ りょうや)です」
2人につられて僕も言う。

「あはは、知ってるよー」
幸人が笑う。

いや、幸人が始めたんだろ、、。

「吉田くんと上杉くんね。あ、それとも天才って呼んだ方がいいかしら?」

天才…
たしかに僕のあだ名は天才だ。
月島さんは多分そのことを言っているのだろう。

「そうそう!月島さんが転校してくる前の中間考査で良也1位とったのー!すごくない?それでみんなから天才って呼ばれてるんだよー!」

そんなことを月島さんに話している。
きっと、僕の評価をあげようとしてくれているのだろう。ありがたい。

「へぇ。すごいわね」

月島さんは素直に感心したような声を出した。

「月島さんは?頭いいのー?」

直球すぎるだろ、、
月島さんも答えづらそうだ。
というか、月島さんはいつも授業聞いてないみたいだし頭いいわけないじゃないか。

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