苦くて甘いビターチョコといちご
颯太side

龍は鎮痛剤を飲んで眠くなったようで
大人しく寝るようにさせて俺は家を出た

桜並木をぶらぶらと散歩してゆっくりと歩いていると、誠さんから電話がかかってきた

「もしもし」
「あ、アニキ、お嬢が走って出てったけど、、」
「あ?」
「なんか泣いてたぞ」
美恋?、、、どうしたんだよ、、

すこし早めに足を進めると遠くの方から走ってくる女の姿

近づくにつれはっきりと分かる姿、
美恋だった

誠さんが言ってたとおり頬を涙でまだ濡らしていた

「しかも、着物で、、、」

黒地に赤い菊の花に、なずなの刺繍

その着物は、俺のお袋が親父との写真で着ていたものだった
「それ、、、」
「颯太さんのバカ!何よ!忘れろとかなんで、そうなるのよ、、、」





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