死にたがりティーンエイジを忘れない
「蒼さん」
呼び止める声を振り切って、わたしは部室を出た。
引き戸を閉めた途端、みじめな気持ちが胸にせり上がってきて、息ができなくなった。
カバンを抱いて無理やり走る。
うつむいた視界に長い影が伸びている。
ウエストも足もほっそりとしている。
こんなシルエット、嘘だ。
みじめで仕方がなかった。
智絵にノートを届けようと決めた去年みたいに必死になる理由が、今年はもうない。
もうわたしは頑張れない。
家に帰り着いて部屋に入って制服を脱ぎ捨てた。
頭が痛くて仕方がなくて、晩ごはんに呼ばれたときも動けなかった。
眠れない夜を過ごした。
朝になっても、頭が痛くて胃が痛かった。
その日、わたしは学校を休んだ。
それが始まりだった。
学校に行ったり行けなかったりする毎日。
授業があっという間にわからなくなった。
担任からは、義務教育じゃないんだからやめることもできるんだと言われた。
やめたかった。
智絵みたいに通信制の高校にすればよかったと、本気の後悔をし続けた。
学校をやめたい。
学校なんていう世界、わたしにはやっぱり無理だ。
落ちていく。
転がり落ちていく。