死にたがりティーンエイジを忘れない


食べてきたばかりの朝ごはんは、体のどのあたりにあるんだろう?

重たくて汚いものが体の中にあるかのように、急に感じられた。

その日の昼はまったく空腹感がなかった。

弁当も半分しか食べなかった。


だって、これだけ余分なものが体についているのだから、食べる必要なんかないでしょう。

わたしは自分自身に、そう皮肉をぶつけた。


下宿先では、適当な量のお米とおかずが用意してあって、適当に自分でよそって食べる。

大叔母と顔を合わせてのテーブルはめったにない。

それがわたしにとって好都合だった。


ダイエットの知識はなかった。

揚げ物や肉は太るとか炭水化物は太るとか、正確ではない直感的な判断で、わたしは好き嫌いを始めた。

煮物やサラダ、スープ類だけを食べる。

もとからそんなに好きではない甘いものは、一切食べなくなった。


大叔母に頼んで、弁当からお米を抜いてもらった。

量も少なくしてもらった。


「本当にこれでいいの?」


半信半疑の大叔母に、わたしは説明した。


「昼休みも課題があって食べている時間がないんです」


とっさに口を突いて出たその言葉は、完全な嘘ではなかった。

わたしは昼休みも勉強に当てていた。


響告大学を受験するためには、ほかの国立大を受ける人より難易度が高いだけでなく、勉強すべき科目の数が多い。

試験の内容は選択制の問題がなく、すべてが記述式。

しかも、問題文の分量も多ければ記述欄も広くて、回答の文章は十分に長くなければならない。


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