死にたがりティーンエイジを忘れない


進路指導の学年集会がしょっちゅう開かれるようになった。

その時間があれば勉強させてほしいのに、田舎の進学校は軍国主義だ。

みんなで一致団結して士気を高めよう、なんて。


わたしは進路指導の先生の話なんてほとんど聞かず、ポケットサイズの参考書を見ていることが多かった。

一言だけ、強烈に記憶に残っている。


「この一年間は、人格が変わるほど勉強しなさい!」


人格、と来たか。

やってやろうか。

わたしはもともとメチャクチャで壊れがちだけど、こんな嫌いな人格なんて、いっそのこと完全にぶっ壊してみようか。


大学に合格したいという、具体的でポジティブな目標ではなくて。

わたしは、限界まで自分をいじめてやろうと決めた。

それだけだ。


テスト一つごとに成績は上がった。

周囲はそれを喜んだけれど、わたしは楽しいとも嬉しいとも一度も感じなかった。


やせなきゃ。

追い込まなきゃ。

そんな毎日だった。

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