死にたがりティーンエイジを忘れない


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胃液で傷んだ喉に、パンに入っていたクルミが引っ掛かった。

ザクリと裂けた感触。

吐くと、パンのなれの果てと一緒に、血があふれてきた。


傷の痛みも血も、なかなか止まらなかった。

食べたい、吐きたい、でも痛い。

つばを飲み込むだけで、ひどく痛い。

血の味が口のほうへ上がってくるのがキモチワルイ。


三日間くらい、イライラしながらも食べられなくて、鎮痛剤を飲みながら、じっと過食嘔吐について考えていた。


食べたい吐きたい。

その狂った衝動を満たすために、かなりの金額をつぎ込んでいる。

バイトで稼いだお金で食べ物を買って、それをトイレに捨てる毎日。

食べなければ、お金はたまるのに。


吐いたものに含まれる消化液のせいなのか、便器には変な垢がこびり付いている。

以前ネットで読んだ過食嘔吐の実話小説によると、その著者は、胃酸のせいで下水管がボロボロになるほど毎日吐いていたらしい。

このマンションは大丈夫だろうか。


すぐ頭が痛くなるから、鎮痛剤はよく飲んでいた。

残りが少なかったから、ドラッグストアに買い足しに行ったとき、睡眠導入剤を見付けた。

使ってみようと思って、買った。


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