雨のち晴れ

太陽......

どうしてあなたがここに......

「もう、私には関わらないでって言ったでしょ」

私は後ろを見ることなく、冷たく言った。

「俺はお前ともう一度、話をしたかったんだ」

「何よそれ」

話って何よ、もう話すことなんて無いはずなのに......

「だから俺は......」

「それに、ここにいるってことは全部知ってるってことでしょ?」

「ああ......」

知られたくなかった私の過去。

体を犠牲にまで隠し通そうとした過去。

でも、私の過去を知ってもなおここに来たこの人の気持ちがわからない。

まぁ、どんな理由があったとしても私は太陽を突き放さなければいけない。

「私が人殺しってことがわかったでしょ?私は最低な人間なのよ」

その言葉を口にすると心が痛む。

人殺し......

自分で言う言葉じゃない。

「......」

そんな私の言葉に太陽は黙ったままだ。

やっぱり、人殺しの人間なんて......

「バカ野郎」

と、突然後ろから抱きしめられた。

え......

頭の中が一瞬真っ白になった。

暖かい。

すごく懐かしい感じ......

しかし、私はすぐに我に返った。

「離してっ」

必死に抵抗する。

そんな私を太陽はさらに強く抱きしめた。

やめて、これ以上私を抱きしめないで。

抵抗できなくなっくなっちゃうから。
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