雨のち晴れ
「晴馬はお前には幸せになって欲しいって思ってるんだよ、ずっと笑っていて欲しいって」
「なんでそんなことがあなたにわかるのよ!」
晴馬はもういないし、本当の気持ちなんてわかるわけがな......
「俺だってそう思うからだよ!」
そう、太陽は力強い声で言った。
「えっ」
その言葉に私は思わず顔を上げてしまった。
「好きなやつを守りたい、幸せに笑っていて欲しい。そう思うのは当たり前のことだろ?」
太陽の真っ直ぐな視線からなぜか目をそらすことができない。
どんどん心臓の鼓動が早くなっていくのがわかる。
だめだ、私、この人のことが好きなんだ......
ねぇ、晴馬
私、この人のこと好きになってもいい?
幸せになっていい?
カタンッ
すると、持っていたカバンの中からプレゼント箱が地面に落ちてしまった。
でも、晴馬の時のようにまた大切な人を失ったら......
あの日の事が頭をよぎる。
「でも......」
「俺は絶対にいなくならないし、絶対お前を幸せにする」
と、私の言葉を遮り、太陽は私の不安をかき消すように優しく、でも真っ直ぐに言った。
太陽にはなんでもわかってしまうのだろうか?
彼の真っ直ぐな言葉が私を苦しめていた、何かをかき消した。