雨のち晴れ
「あっ、雨が.......」
いつのまにか雨が止み、雲の隙間から青空がのぞいている。
そこから差し込んだ太陽の光が私たちを包み込んだ。
まるで、晴馬が私の背中を押してくれているかのように。
プレゼントを拾い上げ、もう一度「ありがとう」と、言った。
「私も好き......」
恥ずかしくて声が小さくなってしまう。
「え?」
な、何回も言わせないでよ
「私も太陽のこと好き」
そう言って、太陽を見る。
すると、太陽はとても嬉しそうに、いつもの眩しい笑顔を見せた。
私もつられて笑顔になる。
「やっと笑った」
「え?」
「美琴が笑ったところ初めて見た」
「あ、本当だ」
そう言って2人で笑い合う。
こんな風に笑ったのはいつぶりだろうか。
笑うってこんなに楽しいことだったんだ。
すっかり忘れていた。
やっと私の心の雨が止み、再び晴れになった。
しばらくの間、私たちは笑い合っていた。