雨のち晴れ

「あっ、雨が.......」

いつのまにか雨が止み、雲の隙間から青空がのぞいている。

そこから差し込んだ太陽の光が私たちを包み込んだ。

まるで、晴馬が私の背中を押してくれているかのように。

プレゼントを拾い上げ、もう一度「ありがとう」と、言った。

「私も好き......」

恥ずかしくて声が小さくなってしまう。

「え?」

な、何回も言わせないでよ

「私も太陽のこと好き」

そう言って、太陽を見る。

すると、太陽はとても嬉しそうに、いつもの眩しい笑顔を見せた。

私もつられて笑顔になる。

「やっと笑った」

「え?」

「美琴が笑ったところ初めて見た」

「あ、本当だ」

そう言って2人で笑い合う。

こんな風に笑ったのはいつぶりだろうか。

笑うってこんなに楽しいことだったんだ。

すっかり忘れていた。

やっと私の心の雨が止み、再び晴れになった。

しばらくの間、私たちは笑い合っていた。
< 37 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop