雨のち晴れ

たった1人の家族


家に帰ると、ビショビショになった私を見たお母さんにお風呂に入るように促された。

お風呂はすごくら気持ち良く感じられた。

いつもちゃんとお湯につかってなかったからかな?

お風呂から出ると、夕ご飯が用意されていた。

席に着き、いつものようにお母さんと2人でご飯を食べる。

どちらも何も話さない。

私が食べ終わり、片付けをしようと立ち上がると、

「ねぇ、美琴」

と、お母さんは私を呼び止めた。

少し驚いた。

夕ご飯の間も、食べ終えてからも、普段は会話なんてしないから。

「何?」

「今日、晴馬くんの家に行ったの?」

そうお母さんは気まずそうに聞いてきた。

「う、うん」

「事故現場にも?」

「まぁ、ね......」

なんでお母さんはそんなことを......

「ごめんね、美琴......」

と、お母さんは悲しそうに言った。

「え?」

なんで、そんなに悲しそうにいうの?

なんで謝るの?

「カバンの中に入ってた、あの......」

「プレゼントのこと?」

「え、ええ」

プレゼントの中も見たみたいだ。

「あれは、今日ね、晴馬のお母さんからもらったの」

「あれを?」

「うん、どうしてそんなこときくの?」

お母さんは一度気まずそうな顔をしたが

「もしかしたら、まだ晴馬くんのことで......」

と、言って私を心配そうに見つめた。

「あ......」

そうか、お母さんは私が晴馬のことで苦しんでいることをずっと心配して......
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