雨のち晴れ

「あなたのせいで晴馬は死んだのよ!」

お葬式の日、晴馬のお母さんは私にそう叫んだ。

私の祈りを神様は叶えてはくれなかった。

「まなたをかばわなければあの子は死ななかったのよ!」

激しく私の方を揺らしながら彼のお母さんは泣いていた。

そうだ、私が死んでいればよかったんだ

そうすれば晴馬は死ななかった。

「あなたは人を不幸にする!あなたの笑顔も言葉も全部!」

私は人を不幸にする......

それならば笑うのをやめよう。

人と関わることも。

そして人を愛することも......

もう大切な人を失わないように。

< 5 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop