雨のち晴れ
この子がしたことは許されることじゃない。
1年間、ずっと辛かった。
苦しかった。
でも、向かい合うなら.......
「私はあなたを許すよ」
「え?」
「私の気持ちもわかってくれた。謝ってくれた。それで許さないなんて言えないよ」
「美琴......ありがとう......」
初めて見た。
愛梨彩の優しい笑顔。
この子はこんなに優しく笑える子だったんだ。
「ねぇ愛梨彩」
「何?」
「私たち、友達にならない?」
「と、友達に?」
愛梨彩は信じられないというように目を見開いている。
「いやだった?」
「いやとかじゃなくて!あの.......」
まだ、愛梨彩の心の中で今までのことが引っかかっているようだ。
正直、私も引っかかっているものがある。
だけど、これを無くすにはきっと....,
「今までのことなんて気にしなくていい。もう、全部終わったんだから」
「美琴、あんたって優しいね」
「え、初めて言われたかも!」
「去年のあんたに戻ったよ、明るくてみんなの憧れの的の、雨宮美琴に」
なんだか嬉しい。
晴馬がいた頃の私か。
きっと、これも全部太陽のおかげだ。