雨のち晴れ

結婚......?

「え、ぇぇええ!?」

こ、これってプロポーズ!?

なんて返事をすべきなの?

う、嬉しいけど......今は.....

「今、返事をくれってわけじゃない。だけど、こと気持ちは変わらない。俺はお前を一生守り続ける」

と言うと、太陽は私をベンチの上に引っ張り上げ、私を抱きしめた。

「太陽、ありがとう」

そう言って笑う。

すると、太陽は私の顔を見て

「美琴の笑顔は眩しいな」

と、言って笑った。

私の笑顔が眩しい?

「太陽の笑顔だって、すっごく眩しいと思うよ」

「そ、そうか?」

「うん」

こんなところで、ニヤニヤしている私たちは、側から見たらバカップルだろう。

だけど、今はそれでもいい。

こんな時間が私にとってはとても愛おしい。

「太陽のこと、もっと知りたい」

「え?」

「だって、これからずっと一緒にいるんだと太陽のことぜーんぶ知ってないと」

「美琴.......」

私が何気無く言った一言に、太陽はうつむいた。

私、なんか変なこと言ってしまったのだろうか?

そう私は、太陽の顔を覗き込んだ。

すると、太陽は顔を上げると、少し顔を赤らめながらいきなり私にキスをした。

「ちょっと、太陽......」

「美琴が悪いんだ!」

「わ、私が!?なんで?」

太陽は顔を背ける。

「か、可愛いこと言うから.....」

そう小さな声で彼は呟いた。

「っ......」

さっきの言葉を思い出し恥ずかしくなる。

よくよく考えてみると、さっきのって......

「プロポーズのこたえ.....」

「言っちゃったみたい、だね」

「ああ」

なんだかそれがおかしくて、2人で笑顔になる。

こうやって笑い合えているだけで幸せだと感じる。

これから先もこんな風に笑っていられたらいいな。

「美琴、これから先もよろしくな」

「こちらこそ」

今度こそ、私は幸せになるよ。

青い空と眩しい太陽。

もう、私の心に雨は降らない。

だって、私の隣には誰よりも何よりも明るい、太陽がいるんだから。

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