雨のち晴れ

「太陽くんはどこから来たの?」

「海の近くだな」

「どこだよ」

「何部に入るの?」

「部活はやんねぇかな~」

「そうなの!?意外~」

休み時間になると、太陽の周りにみんな集まって来た。

本当に迷惑

みんなわざと私の方に背を向けている。

まぁ、休み時間は屋上に行くからいいんだけど

と、私が教室を出ようと立ち上がった時だった。

「美琴、どこにいくんだ?」

と後ろから太陽の声がした。

私は驚き、思わず振り返りそうになった。

「お前は話しないのか?」

太陽はそう私に言った。

しかし私は彼の言葉に何も返さず、教室を出た。

初めてだった。

あの日以来、私の存在を無視しなかった人は。

でもこの人もそのうちみんなと同じになる。

真実を知ればきっと......
< 8 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop