雨のち晴れ
「太陽くんはどこから来たの?」
「海の近くだな」
「どこだよ」
「何部に入るの?」
「部活はやんねぇかな~」
「そうなの!?意外~」
休み時間になると、太陽の周りにみんな集まって来た。
本当に迷惑
みんなわざと私の方に背を向けている。
まぁ、休み時間は屋上に行くからいいんだけど
と、私が教室を出ようと立ち上がった時だった。
「美琴、どこにいくんだ?」
と後ろから太陽の声がした。
私は驚き、思わず振り返りそうになった。
「お前は話しないのか?」
太陽はそう私に言った。
しかし私は彼の言葉に何も返さず、教室を出た。
初めてだった。
あの日以来、私の存在を無視しなかった人は。
でもこの人もそのうちみんなと同じになる。
真実を知ればきっと......