透明なパレットに何色もの色を重ねて
隣の席の気になるあいつ
午後九時、お決まりのように携帯が震える。
「またか」とため息をつきながら、
それを確認する。
はあ。また今日も十一時近くまで続くやりとりしなくちゃいけないのかな。
高校に入学して、約二ヶ月。
最初に声をかけてくれた二人と始まった
毎晩のグループラインのやりとり。
もともとメールが苦手な私は、この毎晩のやりとりにうんざりしていた。
眠る時間は遅くなるから朝も眠い。
それに話のネタも学校であったことを振り返ることから始まり、挙句は悪口。
あんまり楽しくないな。
そう思って、返事を返さなければ次の日にはなんで返さなかったの?なんて聞かれる。
少し返事が遅くなれば未読の数にドン引き。
それでも結局、今から新しい友達を作ることも難しい気がして、だらだらとやりたくもないラインに毎日、時間を費やしていた。
《そういえばさ、転入生が入ってくるらしいよ。イケメン希望!!》
《マジで?!楽しみ!絶対イケメンがいい!シロもイケメンがいいよね?》
最初に私に声を掛けてくれた貴美枝(きみえ)からのライン。
それに間髪入れずに返事を返す良美(よしみ)。
貴美枝と良美は口を開けば容姿のことばかり。
正直、私はイケメンに興味があるわけでもなければ、好きな人がいるわけでもない。
恋なんて、生まれてこの方経験なし。
そんな私が、まさかあんな恋を経験するなんてこの時はまだ夢にも思わなかった。
「またか」とため息をつきながら、
それを確認する。
はあ。また今日も十一時近くまで続くやりとりしなくちゃいけないのかな。
高校に入学して、約二ヶ月。
最初に声をかけてくれた二人と始まった
毎晩のグループラインのやりとり。
もともとメールが苦手な私は、この毎晩のやりとりにうんざりしていた。
眠る時間は遅くなるから朝も眠い。
それに話のネタも学校であったことを振り返ることから始まり、挙句は悪口。
あんまり楽しくないな。
そう思って、返事を返さなければ次の日にはなんで返さなかったの?なんて聞かれる。
少し返事が遅くなれば未読の数にドン引き。
それでも結局、今から新しい友達を作ることも難しい気がして、だらだらとやりたくもないラインに毎日、時間を費やしていた。
《そういえばさ、転入生が入ってくるらしいよ。イケメン希望!!》
《マジで?!楽しみ!絶対イケメンがいい!シロもイケメンがいいよね?》
最初に私に声を掛けてくれた貴美枝(きみえ)からのライン。
それに間髪入れずに返事を返す良美(よしみ)。
貴美枝と良美は口を開けば容姿のことばかり。
正直、私はイケメンに興味があるわけでもなければ、好きな人がいるわけでもない。
恋なんて、生まれてこの方経験なし。
そんな私が、まさかあんな恋を経験するなんてこの時はまだ夢にも思わなかった。