透明なパレットに何色もの色を重ねて
私の勇気は彼の一言で、一瞬にして粉々になった。
もう嫌だ。いたたまれなくなった私は
「そっか」と一言だけ言い残し、
ガタンと席を立って教室を飛び出した。

なんで私ばかり。
悔しくて悲しくて涙が溢れて止まらない。

階段を駆け上がる。
屋上まで来てみたけれど、鍵がかかっていて入れない。

「もう、疲れた」

そう一言だけ呟いた私は、
その場に足を抱え込むように座り、
今まで溜め込んでいたものを吐き出すようにしゃくりあげて泣いた。
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