透明なパレットに何色もの色を重ねて
「シロ、心配したのよ。ラインも既読にならないし」
私の姿を見つけて、とっさにかけて来る二人。貴美枝は怒って私を怒鳴りつける。
その姿にみんなが私たちを見る。
中にはこそこそと話す女子たち。
そうだった。私、昨日急に教室を飛び出して
出て行ったんだった。
望月くんとのことですっかり忘れていた。
「あっ、ごめん。心配かけて」
「本当よ。急に教室から飛び出して帰ってこないんだもの。で、今日は聞いてくれるわよね?望月くんの連絡先」
貴美枝が心配していたのは、私じゃない。
望月くんの連絡先を聞くことだった。
「シロ、貴美枝の話聞いてた?今日は聞けるわよね?」
返事をしない私に良美が更なる追い討ちをかける。
昨日までなら嫌でも「うん」って返事を
していた。
だけど今日は首を縦には振りたくない。
また、断られるのが嫌だということもあるけれど、それだけじゃなくて望月くんの連絡先を聞けたとしても教えたくないという気持ちが強かったから。
私の姿を見つけて、とっさにかけて来る二人。貴美枝は怒って私を怒鳴りつける。
その姿にみんなが私たちを見る。
中にはこそこそと話す女子たち。
そうだった。私、昨日急に教室を飛び出して
出て行ったんだった。
望月くんとのことですっかり忘れていた。
「あっ、ごめん。心配かけて」
「本当よ。急に教室から飛び出して帰ってこないんだもの。で、今日は聞いてくれるわよね?望月くんの連絡先」
貴美枝が心配していたのは、私じゃない。
望月くんの連絡先を聞くことだった。
「シロ、貴美枝の話聞いてた?今日は聞けるわよね?」
返事をしない私に良美が更なる追い討ちをかける。
昨日までなら嫌でも「うん」って返事を
していた。
だけど今日は首を縦には振りたくない。
また、断られるのが嫌だということもあるけれど、それだけじゃなくて望月くんの連絡先を聞けたとしても教えたくないという気持ちが強かったから。