透明なパレットに何色もの色を重ねて
心から思ってもない謝罪。
どうしても教室で一人になりたくない気持ちの方が勝ってしまった。

一人は嫌だ。
居場所がないのは嫌だ。

中学の時、私はクラスに馴染めず
一人だった。辛かった。もうあんな思いはしたくない。そう思っていたのに……。

今はあの時と同じくらい辛い。
下を向いていると涙がこぼれそうだ。

「……ねえ、シロ。友達だと思うなら望月くんの連絡先聞いて私に教えて。それができなきゃ友達やめるから」

貴美枝の言葉に思わず顔を上げると、
貴美枝と良美は意地悪そうな笑みを浮かべていた。

友達だなんて思ってないくせに。
私のこと、ただ利用しているだけなのに。
わかってるのに……。

私はただ、唇を強く噛み締めて
「わかった」と返事を返すことしかできなかった。
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