【極短】誰よりも可愛いオレの猫


「そうだった。アレなんだよ」

「林檎うさぎシールだよ」

「そうゆう事言ってんじゃねぇだろ」

「なんかね、クラスで流行ってるんだよ。

あのシールに願い事を100回繰り返すとその願いが叶うって。

……信じないけどね。おまじないとか。けど神頼みよりは努力するしいいかなって」


……冷めて見せながらも、実は結構ミーハーなとこがある瑞希。

可愛くないなんて自分では分析してる性格は、そうでもないと思う。

素直じゃないだけで……結構可愛いと思う。

それを無理矢理強がってそっけなく隠してるからアレだけど。

……まぁそんな事はオレだけが分かってればいんだけど。


つぅか、他の男になんか分からせたくないし。



「おまえ昨日の夜中に来て100回何願った訳?」


オレの言葉に、瑞希はしれっとした顔を作り上げて目を逸らす。


「……苺クリームチーズのアイスが食べられますようにって」

「へぇ。そんな願い事を込めたシールをわざわざオレのユニフォームに貼ったんだ?」

「まぁね。他に貼るとこなかったし」

「つぅかさ、おまえさっき『林檎うさぎシールのおかげだね』とか言っただろぉが」

「だから、林檎うさぎがアイスのついでに叶えてくれたんじゃないの?

ああ、そういえば、アイスの事お願いしてる時、間違って1回くらい樹のタイム測定が上手くいきますようにってお願いしちゃったかも。きっとだからだよ」

「……本当に減らず口だな」


根負けしたオレが呆れ笑いをこぼすと、そんなオレを見て瑞希が笑う。


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