【極短】誰よりも可愛いオレの猫
素直じゃない。
強がり。
減らず口。
可愛くない女の3点セット。
でも、それでも――――……
「よくもまぁ、100回も願ったもんだな」
「……どうしても叶えたかったから」
「じゃあ、行くか」
「え、どこに?」
「アイス屋。これでもかってほど食わせてやるよ」
オレの言葉に、瑞希が満面の笑みを見せる。
素直じゃないのは、照れ隠し。
強がりは、心配をかけたくないだけ。
減らず口は本音を隠すためのガード。
本当は優しくてすごく素直なオレの猫。
懐いちゃえば他の猫なんか目に入らないほど可愛い猫。
とりあえず餌をやってもっと懐かせるか。
……オレから離れていかないように。
「おい待て。その前に着替えろ」
「分かってるよ。煩いなぁ。それくらいの常識はありますよーだ」
「……アイス行く前に躾けるか」
「ちょっと!!まだ着替え中っ……」
「しょうがねぇから手伝ってやるよ」
「変態おやじ!! バカ!すけべ!えっち!!」
……多分、可愛いオレの猫。
気性が激しいのがたまにキズ。
「アイスなんかより瑞希のがおいしそうだし」
「……~~っ ばかぁ…」
しばらくはオレの腕の中で可愛くしてろ。
END
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