年下ワンコ幼なじみが可愛すぎてツラいです。
私の幼なじみ
ピピピッ、ピピピッ、ピ…ガチャ!
「うぅ〜〜」
うるさいなーと思って、寝ぼけ眼で目覚まし時計を止める。
窓からは朝の日差しが入り込み、外からはスズメの鳴き声が聞こえてくる。
ピンポーン
(誰だろ、こんな朝早くに……)
お母さんが対応している声を聞きながら、また夢の世界へ旅立とうとしていると、、、
「おはよう、うみちゃん」
「んー」
「うみちゃん、もう朝だよー、起きる時間だよー、遅刻するよー?」
「んーーー…今、何時?」
「7時半だよ?」
「はっ!やばっ!遅刻する!」
やっと意識が覚醒した。
焦りのあまり、あわあわと落ち着きがなくなる。
「うみちゃん、僕、下で待ってるね。」
「わかった!」
急いでパジャマを脱ぎ捨て、制服に身を包む。
教科書の準備なんてやってる訳がないので、机に開きっぱなしの教材をまとめ、時間割りを見ながら黒鞄に突っ込んでいく。
うわ、今日数学の小テストあるし…
バタバタと階段を駆け下りると、玄関で靴を履いて待っている空(そら)が手を振った。
「うみちゃん、弁当・水筒・朝ごはんは僕が持ってるよ。あ、あとハンカチ・ティッシュ・タオルも」
「あ、ありがとう!!」
なんて出来た子なんだろう…!!
完璧過ぎる!
「「いってきまーす」」
「行ってらっしゃい」
2人で玄関を出るとき、お母さんがリビングから顔を出して手を振った。
*☼*――――*☼*――――*☼*
「また海美(うみ)は寝坊したのか」
海美の父がボソッとつぶやく。
「まぁ、海美が遅い時は空くんが迎えに来てくれるから、大丈夫よ。」
海美の母は、ふふふ、と笑ってそう答えた。
「空君には、感謝してもし足りんな。」
「ええ。ほんと、海美を貰ってくれたら安心なんだけどねぇ〜」
ゴホッ
海美の父は飲んでいたコーヒーを吹き出した。
「あら、小さい頃はいつも2人で言ってたじゃない、結婚するんだーって」
「……それは昔の話だろう……」
「でも、空くん以外に海美を任せられる人、そうそういないと思うけどねぇ〜」
*☼*――――*☼*――――*☼*
< 1 / 42 >