年下ワンコ幼なじみが可愛すぎてツラいです。
やばい、私歌声汚いんだけどな…詰んだわこれ。
「橘さん、アルトだったんだね」
と爽やかスマイルで黒田くん。
「音程とるのだけは得意だから……」
「え、まじか!つられないように頑張ろ」
とかわちゃわちゃ喋っていたら、全員並び終わって、練習が始まった。
ところで、私たちが歌う曲中で見せ場を作りたい!ということで、女声・男声各一名ずつで歌う部分がつくられたが……
「誰か、してくれる人いませんかー?」
しーーーーーーーん
まあ、そうだよね。ソロだもんね。
委員が呼びかけても、返答なし。
めっちゃメロディのソロなので、女声はソプラノの誰かがするだろう、と高を括って他人事でいると
「……ねぇ、アルトだけど、海美ちゃんが歌ったら?」
とソプラノの女子。
おいこら。
その提案に、女子皆が「いいね」「海美ちゃん上手いし」とか言い始めた。
自分が歌いたくないからって~~!!
「じゃあ、海美ちゃん以外に候補がいないなら、お願いしても良いかな?」
委員の言葉に、他の女子皆がコクコク頷いている……私の拒否権はなさそう。
「……うん、誰もいないなら……」
「やった!じゃあ、よろしくね!」
あーあ。断れなかった……
「じゃあ、男声は誰がする?」
委員が男子に呼びかけると、私の隣から声が。
「橘さんがするなら、俺がしても良いよ」
なんと黒田くん。
まって、その言い方だと語弊が……皆がザワつき始めた。
「じゃあ、他にしたい人がいないなら、黒田くんにお願いしても良いかな?」
今度は男子がコクコク。
そういう訳で、見せ場を歌うことになりました……