年下ワンコ幼なじみが可愛すぎてツラいです。

やばい、私歌声汚いんだけどな…詰んだわこれ。

「橘さん、アルトだったんだね」
と爽やかスマイルで黒田くん。

「音程とるのだけは得意だから……」

「え、まじか!つられないように頑張ろ」


とかわちゃわちゃ喋っていたら、全員並び終わって、練習が始まった。





ところで、私たちが歌う曲中で見せ場を作りたい!ということで、女声・男声各一名ずつで歌う部分がつくられたが……

「誰か、してくれる人いませんかー?」



しーーーーーーーん



まあ、そうだよね。ソロだもんね。
委員が呼びかけても、返答なし。
めっちゃメロディのソロなので、女声はソプラノの誰かがするだろう、と高を括って他人事でいると

「……ねぇ、アルトだけど、海美ちゃんが歌ったら?」

とソプラノの女子。

おいこら。


その提案に、女子皆が「いいね」「海美ちゃん上手いし」とか言い始めた。
自分が歌いたくないからって~~!!


「じゃあ、海美ちゃん以外に候補がいないなら、お願いしても良いかな?」

委員の言葉に、他の女子皆がコクコク頷いている……私の拒否権はなさそう。


「……うん、誰もいないなら……」

「やった!じゃあ、よろしくね!」

あーあ。断れなかった……


「じゃあ、男声は誰がする?」

委員が男子に呼びかけると、私の隣から声が。




「橘さんがするなら、俺がしても良いよ」



なんと黒田くん。



まって、その言い方だと語弊が……皆がザワつき始めた。


「じゃあ、他にしたい人がいないなら、黒田くんにお願いしても良いかな?」


今度は男子がコクコク。






そういう訳で、見せ場を歌うことになりました……

< 27 / 42 >

この作品をシェア

pagetop