年下ワンコ幼なじみが可愛すぎてツラいです。
翌朝。
やばい、またやってしまった!!
セットしたはずの目覚ましが止まってて(多分自分で止めた)、また遅刻しそうだ!!
バタバタと着替えて準備をするが、何か足りない気がする。
階下へ行くと、両親が食卓に座っていた。
「あら?今日は空くん来ないのね?」
「珍しいな」
「ほんと、空くんのありがたさが身に染みるわね~」
自分たちの娘をなんだと思ってるんだ。
まあ、高3にもなって寝坊してる私も私だけど。
今まで一度も朝から空に会わない日は無かったので寂しい気持ちはあるが、空が来なくてほっとしてる自分がいる。昨日の今日だし……
お弁当、水筒、タオル、ハンカチ……あ、今日体育あったな。
……よし、準備完了!私はやればできる子なのです!
朝ごはんのチョコ入りクロワッサンは、食べながら登校する。
「いってきまーす」
「「いってらっしゃい」」
万が一……いや、億が一空が寝坊してるなんてことがあったら大変なので、一応家に行ってみる。
『ピンポーーーン』
数秒待つと、空のお母さんがインターホンに出た。
『あら、海美ちゃん?どうしたの?』
「朝早くからすみません、おはようございます。空が今日来なかったので、まだ家にいたらと思って来ました」
『空ならもう出たわよ。てっきり海美ちゃんのところに行ってると思ってたけど、違ったのね。うちの空がいつもお邪魔してごめんなさいね』
「いえいえ、こちらの方が寝坊せずに済んで本当に助かってます……。じゃあ、学校行きますね。ありがとうございました」
『気を付けてねー、いってらっしゃい』
「いってきます」
やっぱり空も気まずいと思ったのだろうか、とこの時の私は軽く考えていた。