年下ワンコ幼なじみが可愛すぎてツラいです。


家中の鍵を確認し、電気を消して、自室に入った。勿論空も一緒に。

私がベッドに入ると、空はベッドに背中をつけて座った。

「え、空も入らないの?」

「えぇ!?入るわけないでしょ!!」

もー、と言いながら、耳を赤くして私に背中を向けた。

「うみちゃんが寝るまで、ここにいるから。おやすみ」

「……おやすみ」

空は私の頭をポンポンと撫でた。気持ち良くて目を閉じた。












…………寝付けない。

空の様子を伺うと、こっくりこっくり前後に頭が揺れている。

「空?」

「……ん?」

目が少し覚めたようで、寝ぼけ眼でこちらを向いた。

「来て」

掛け布団を広げて、反対の手でベッドをポンポン、と叩いた。

「だから……「来て!」

「~~~~っ!わかったよ……」

空は渋々布団の中に入ったが、私が空の方に譲った掛け布団をほぼ返して、私にしっかり掛けた。

「電気消して」

「…………うん」

ベッド脇の低い棚にあるリモコンで電気を消してもらった。

暗くなった部屋で二人きり。空は私に背中を向けて横になっている。なんだか、知らない男の人みたいで、ドキドキする。他の男子に比べたら華奢な方だが、女子と比べたらゴツゴツしてて、手や背中も大きい。

「空、こっち向いて」

「無理」

「お願いーーー」

空の背中に抱きついて、額を付けてグリグリした。

「~~~もう!これでいい?」

空は体を反転させて、こちらを向いた。

「ぎゅってして」

「うみちゃん、どうしたの?」

「なんか、甘えたい。お願い」

「はぁーー。しょうがないな、うみちゃんは。」

某青い猫のようなセリフを口にし、私を抱き寄せた。私の頬にかかっていた髪を後ろへ梳き、こめかみに唇を落とした。

「今度こそ、おやすみ。」

私の背中を一定のゆっくりなテンポで優しく叩き、甘い声でそう言った。

空の胸に顔を埋め、彼の匂いに包まれ、いつの間にか眠りに落ちていた。

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