年下ワンコ幼なじみが可愛すぎてツラいです。

合唱コンの練習が終わったので荷物をまとめて帰ろうとしていると、目の前にいつの間にかクラスの女子が2人立っていた。

「どうしたの?」

気の強そうなポニーテールの川上さんと、ファッションリーダー的な久保さんはいつも仲が良いようで、いつも一緒にいるイメージだ。

「私いちおう指揮者だから、この後時間あるなら空くんの伴奏と合わせたいなと思ったんだけど、どう?」

口を開いたのは川上さんで、彼女が言ったように指揮者をしている。何故か、彼女の頬が少し赤い。

…………獣人は番に選んでもらえるように顔立ちの整った人がとても多い。自慢ではないが、これでも僕は何回か告白されたことがある(番に告白されないなら意味ないけど…)。

なんとなく、想いを寄せられてる感がある。気のせいなら良いけど。


「あーー、ごめんね。放課後は僕、親がやってるお店のお手伝いしなきゃだから早く帰らなきゃなんだあー。本当にごめんね」


渾身の表情!!申し訳ないオーラ全開の仔犬顔発動!!これでもかと眉毛を下げ、耳をしょんぼり垂れさせた。

ドキューーーーーン!!

効果は抜群だった!!川上・久保ペアは全く歯が立たない!ついでに耳まで真っ赤になっている!


「そ、そうだったんだ、大変だね!じゃあ、朝からとかでも良かったら……」

「そうだね、お互いに時間が合えばよろしくね~じゃーねー」

ついでにニコッとしてさっさと帰路についた。









「チッ…………空って呼んでいいのは家族とうみちゃんだけなんだよ……」


ーーーーーーーーー

「空くん可愛すぎ」

「マジそれな」


キレ気味の空の様子など、2人は知る由もなかったのだった…………

ーーーーーーーーー

< 38 / 42 >

この作品をシェア

pagetop