年下ワンコ幼なじみが可愛すぎてツラいです。
急いで靴箱へ向かいローファーに履き替えて、うみちゃんがいないか探しながら走った。
しばらく走ると前方にうみちゃんの後ろ姿が見えてきた。獣人の身体能力と嗅覚などを最大限活用して発見し、ストーカーを開始した。………これがストーカーだってちゃんとわかってるよ。
自宅近くの公園を通りかかったとき、「最近のうみちゃんの写真持ってないなー。コレクションに加えようかな」という思いが湧いてきた。
暗いのを良いことに、公園の木の陰からスマホのカメラでうみちゃんを撮った。
カシャッ
あ、やべ。
そう思った時には遅かった。うみちゃんは泣きそうな顔になって、ついと走り出した。
うみちゃんは意外と走るのが速くて、全力に近いくらいで走った。(獣人の本気はこんなもんじゃない)
走りながら考えた。
もし追いついたとして、昨日からの気まずい雰囲気があるのに、どう声を掛ける?
そして、十中八九うみちゃんは「ストーカー」を怖がっている。その「ストーカー」が僕だとは知らずに。
走る速度を緩め、距離を十分にとった。
うみちゃんが家に入ったのを確認して、僕も自宅に入った。