年下ワンコ幼なじみが可愛すぎてツラいです。

それから僕はずっと罪悪感に苛まれている。

ごはんを食べて、風呂に入って、それでもずっとうみちゃんの泣きそうな顔が頭から離れない。


明日の授業の予習をしようと机に教材を開いたときだった。



ぽよん、と間抜けな着信音がスマホから鳴った。


ロック画面には、うみちゃんからのメッセージが表示されていた。


『空、今いい?』


どう返信すればいいかも分からず、少し迷ってからスマホを開いた。


『どうした?』


間髪入れずに既読がついた。


『今からそっち行ってもいい?』


『なんで』


『さっき誰かにつけられて、家に今1人で、もう無理』




きっと、僕がストーキングしてしまったから。


『すぐ行くから待ってて』


せめて慰めて、償いたい。そう思って返信して、急いで階段を下りた。






「空?どこ行くの?」

リビングにいた母が僕に気づいた。

「なんか、うみちゃんが来て欲しいって」

「そう……手出しちゃだめよ?」

「なっ……!出さないよ!!」

なんて母親だ。でもきっと、番の危機に駆けつけたいという獣人の気持ちを分かってくれたからこその発言なのだと思う。


それから1分も経たずにうみちゃん家のドアの前にいる。

……正直とても気まずいが、この状況でも僕を頼ってくれたことは本当に嬉しかった。

恐る恐るインターホンをならす。



ガチャ



鍵がはずれ、ゆっくりとドアが開く。


顔を出したうみちゃんは、







泣いていた。

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