年下ワンコ幼なじみが可愛すぎてツラいです。
「これから、どうする?1人で寝られそう?」

彼女を怖がらせた罪悪感から聞いてみると、彼女は少し考え、僕をまっすぐ見つめてきた。


「……一緒にいて欲しい……」

「え、」


ソファから下りて僕の服の裾を掴み、上目遣いで「お願い」をされた。

ーーーつがいのお願いなんて、聞くに決まってるだろう。








家中の戸締りを確認し、海美ちゃんの部屋に入る。

本当にやばい……彼女のにおいで一杯の部屋なんて、(海美の)危険要素しかない。




ベッドに入った彼女を確認して床に座ると、「え、空も入らないの?」と凄く恐ろしいことを言ってきた。

「えぇ!?入るわけないでしょ!!」

もー、と言いながら平静を装う。

「うみちゃんが寝るまで、ここに居るから。おやすみ」

安心させるように頭を撫でると、彼女はホッとした様子で目を閉じた。









「空?」

海美ちゃんの声で、遠のきかけていた意識が浮上した。

「来て」

布団を捲って隣の空いたスペースをポンポン、と叩いている。

「だから……「来て!」


だから、危ないんだってば、海美ちゃんが!結局僕の方が折れて布団に入ったけど、掛け布団のほとんどをきちんと彼女に掛けた。

ベッド脇のリモコンで電気を消すと、彼女の身動ぎや息遣いが直接耳に語りかけてくる。

耐えきれなくなって背を向けたが、「こっち向いて」と背中にグリグリと頭を擦り付けているようなので、結局これも僕の方が折れて、布団の中で2人で向き合った。




「ぎゅっとして」なんて甘えられたので、もうどうにでもなれ、と抱き締めた。もちろん絶対に下半身がくっつかないように。

海美ちゃんの横髪を梳き、こめかみに唇を落とした。

「今度こそ、おやすみ」


すぐにでも離れたいから早く寝ろ、と願いながらゆっくりと彼女の背中を叩くと、しばらくして可愛らしい寝息が聞こえてきた。


ーーー今日は寝不足決定だな、と覚悟した。
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