犬猿恋愛
『てか、なんであんたが
ウチに来てんのよ。』
「あぁ?
んなもん、親父さんから
頼まれたからに決まってんだろ。
どっかの犬が起きねぇから
起こしてくれってよ。」
『だからって、あんたを寄越さなくっても…』
へぃへぃとか言いながら
私の前を歩く猿。
いつの間にか私よりも大きくなって
いつの間にか私の前を歩くようになった。
今じゃ私が、あいつの後ろをくっついて
歩いてるようになってる…
『…やし』
「あぁ?」
振り返る海斗に向かって
助走をつけて走って…
ジャンピングヘッドビンタ!!
「って!!いって!!
おい、てめぇ何しやがる!!?」
『悔しいって言ったんだよ!!
このクソ猿巨神兵が!!!』
それだけ言って、私は食堂まで
走って逃げた。
後ろで、おい待て!って声が聞こえるけど
走って逃げる