犬猿恋愛


逃げるはずだった。


「…」

『はぁ!はぁ!はぁ!』

「…おい」

『くそ!逃げなきゃ奴が来る!!』

「おいって」

『…なんでだよ!!』

そう私は、逃げたつもりだったが

こいつは、クソ猿巨神兵。

足のリーチが違いすぎたため

速攻で首根っこ掴まれて捕まえられた。

どうにかして、逃げ切らねば!!

どうする、どうすればいい…!!

そうだ、あいつを呼ぼう。

『クックックッ』

「な、なんだよ急に笑いだして

気持ちわりぃな。」

お腹の底から声を出してあいつを呼んだ。


『すぅ…ちーーーーこーーーーー!!!!』

海斗はゲッって顔したけど

お構い無しにドスドス走ってくる音が聞こえる。


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