犬猿恋愛
食堂に入ると目の前に入る…
ピンクとフリフリのエプロンと
栄養バランスとれた朝食の品々に
色とりどりの刺青とスキンヘッド……。
もう、ね……絶句だよ。
朝からなんてもん見せられてんだろ私。
「あ、お嬢!
おはようございます!!!」
うち組の料理長兼幹部のヒデ。
この人が、毎日ご飯を作ってくれてる。
そう、色とりどりの刺青とスキンヘッドに
ピンクとフリフリのエプロンをしている
張本人、正直直視したくない。
『おはよ、ヒデ。』
ヒデは、ニコッと笑って台所へ向かった。
私は、苦笑いしつつ席についた。
『おはよ、父さん。』
父さんは、目を向けていた新聞から
私に目を向けた。
「おはよう、沙羅。
お前はますます……」
『ん?ますます?』
父さんは、プルプル震えだした。
え、なに。私なんかしたっけ…
こんなに怒らすことしたっけ!!?
「ますます、母さんに似てきたなぁ!!
沙羅たんかわゆいよぉぉぉおおおおお」
『なんだよそれぇぇぇえええ!!!
普通に言えや!!』
「親父が、癇癪(かんしゃく)起こしたぞ!!
姉さんの写真もってこぉぉおおおい!!!」